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ファクタリングの債権譲渡登記とは?仕組みとデメリットを解説

多くのファクタリングにおいては、「債権譲渡登記」の要否が問題になります。

ここでは、債権譲渡登記の概要や必要性、ファクタリング会社が債権譲渡登記を求める理由などについてみていきましょう。

債権譲渡登記のデメリットについてもくわしく解説しています。

債権譲渡とは?

債権譲渡とは、文字通り「債権を譲渡すること」です。

そもそも、債権とは「相手に対して特定の行為を求める権利」を指します。

たとえば、金銭債権なら「相手に金銭の支払いを求める権利」です。

請求権と言い換えると分かりやすいかもしれません。

債権を保有している人を「債権者」といい、債権の相手方を「債務者」といいます。

この債権(請求権)を第三者に売買や贈与などで譲渡する行為こそが「債権譲渡」なのです。

債権譲渡によって債権を得た人、つまり債権の譲受人は、原則として債務者に特定の行為を求めることができるようになります。

ファクタリングと債権譲渡の違い

ファクタリングも広い意味でいえば債権譲渡の一種です。

しかし、債権譲渡は債権回収の意味で使われることも多く、ファクタリングと区別して考えられる場合もあります。

今回は「債権譲渡=債権回収」として、ファクタリングとサービサー(債権回収会社)による債権回収の違いやそれぞれの特徴について説明していきます。

ファクタリングと債権譲渡の違い

  • 目的が違う
  • 手数料が違う
  • 手続きが違う

目的が違う

ファクタリングは売掛債権の売買です。

ファクタリング利用者は、保有する売掛債権をファクタリング会社に売却(譲渡)することにより、現金化を叶えます。

本来なら支払期日まで待たないと売掛債権を現金化することはできませんが、ファクタリングを利用すれば話は別で、支払期日前でも現金化可能です。

多くの利用者は、売掛債権の早期の現金化を目的としてファクタリングを利用します。

対して、サービサーの場合、支払期日未到来の債権は対象外です。

サービサーは、回収が見込めない「不良債権」や期日到来後未回収の債権の回収を目的として利用されるケースが多くなっています。

手数料が違う

ファクタリングとサービサーは手数料の面でも大きく異なります。

ファクタリングでは、売掛債権に対するパーセンテージ方式で手数料が定められるのが通常です。

2社間ファクタリングなら売掛債権額の10~30%、3社間ファクタリングなら1~10%が手数料の相場となっています。

ファクタリング会社は、売掛債権の金額から手数料を差し引いた額を、代金として利用者に支払います。

サービサーを利用する場合も手数料はかかります。

手数料に相場といえるものはなく、案件ごとに手数料は異なるのが通常です。

手続きが違う

ファクタリングとサービサーは、利用のための手続きにおいても大きな違いがあります。

ファクタリングの場合は、ファクタリング会社の審査にさえ通れば、すぐにファクタリング契約手続きに入れます。

2社間ファクタリングか3社間ファクタリングかによっても異なりますが、比較的スムーズかつ穏やかに手続きを進められるのが特徴です。

一方、サービサーで不良債権や未回収債権の回収代行を依頼した場合は、ファクタリングのように穏やかな経過や結果が期待できないケースもめずらしくありません。

最悪の場合は訴訟に発展することもあり、手続きが長期化する可能性も視野にいれておく必要があります。

ファクタリングにおける債権譲渡登記とは何か?

債権譲渡登記とは、債権譲渡の事実や具体的な内容を公的な記録に残すことです。

ファクタリングには債権譲渡登記が必須というわけではありませんが、ファクタリング利用のための絶対条件としているファクタリング会社もあります。

利用予定のファクタリング会社に、あらかじめ債権譲渡登記の要否を確認しておきましょう。

ファクタリング における債権譲渡登記とは何か?

  • 登記とは?
  • ファクタリングにおける債権譲渡登記

登記とは?

登記とは、権利の内容などを「登記簿」という公的な帳簿に記録することで「公示する」、すなわち対外的に主張するための制度です。

目に見えない権利関係を登記で明らかにすることにより、さまざまなトラブルを防止する効果があります。

もっとも身近なのが、不動産登記です。

たとえば、土地付き住宅の売買では、土地と建物の所有権が売主から買主に移転します。

所有権が移転したことは売買の当事者間では明らかですが、第三者にはわかりません。

不動産登記を申請すれば、登記簿上に所有者として買主の名前が記載され、これをもって買主は対外的に「自分が所有者だ」と主張できるようになります。

ファクタリングにおける債権譲渡登記

債権譲渡登記によって、債権の譲受人は「自分が新たな債権者だ」と対外的に主張できるようになります。

ファクタリングにおける債権は売掛債権であり、譲受人はファクタリング会社です。

ファクタリング会社は、主に2社間ファクタリングにおいて、利用者に対して売掛債権の債権譲渡登記を求めます。

ファクタリング会社が債権譲渡登記する理由

ファクタリング会社が債権譲渡登記を要求する理由は、以下の通りです。

ファクタリング会社が債権譲渡登記する理由

  • 二重譲渡を防止できるから
  • 対抗要件になるから

ここから、それぞれの理由についてもう少し詳しくみていきましょう。  

二重譲渡を防止できるから

債権譲渡登記を備えることのメリットは、債権の二重譲渡などのトラブルを防げることです。

二重譲渡とは、一つの債権を、複数人に対して譲渡することを指します。

売主が、一つしかない商品をAさんに売却したにもかかわらず、その事実を隠してBさんにも売却するというイメージで考えてください。

もし、すでに商品はAさんに売却されたことをBさんが契約前に知っていたとしたら、Bさんは売主と契約を結ぶことはなく、二重譲渡は未然に防げたでしょう。

債権譲渡登記がされていれば、第二の譲受人は、取得しようとする債権がすでに別人に売却されていないかを事前に確認できます。

対抗要件になるから

二重譲渡の譲受人同士はライバル関係になり、先に「対抗要件」を備えた者が、債権者としての地位を対外的に主張できるようになります。

債権譲渡登記は、その対抗要件のひとつなのです。

債権譲渡登記を先に備えることができた譲受人は、他の譲受人などに対して「自分が債権者だ」と堂々と主張できます。

債権譲渡登記するデメリット

債権譲渡登記はファクタリング会社にとってのメリットは大きいですが、利用者にはいくつかのデメリットがあります。

債権譲渡登記するデメリット

  • 売掛先にバレる可能性がある
  • 金融機関の融資審査に影響が出る
  • 登記費用は基本的に利用者が負担

順番に解説していきます。

売掛先にバレる可能性がある

2社間ファクタリングなら売掛先は関与しないので、基本的に売掛先にファクタリングを知られるリスクは少ないです。

ただし、債権譲渡登記をした場合は少々話が違ってきます。

法務局では、だれでも、債権譲渡登記に関する概要の証明書を閲覧できます。

売掛先が、利用者の債権譲渡登記概要の証明書を見れば、ファクタリング会社に債権を譲渡した事実は知られてしまうのです。

ファクタリング会社を利用していることが、即、信用度の低下につながるとは限りませんが、知られるよりは知られずに済むほうが利用者にとっては安心でしょう。

ただし、売掛先がわざわざ利用者の債権譲渡の概要証明書を取得する可能性は低いので、バレる危険性は心配するほどでもありません。

金融機関の融資審査に影響が出る

金融機関は、融資審査の際に、債権譲渡登記の有無を確認してくることがあります。

ファクタリング会社に対して売掛債権を譲渡した履歴があることによって、金融機関に「経営状態が良くない」と判断される可能性は否定できません。

このように、債権譲渡登記が金融機関の審査に影響を及ぼすおそれをよく考慮したうえで、債権譲渡登記つきのファクタリングを利用するかどうかを決めましょう。

登記費用は基本的に利用者が負担

債権譲渡登記は、司法書士へ依頼するのが通常です。

司法書士報酬は最低でも数万円は下りません。

一般的には5~8万円が相場とされています。

ファクタリング会社に紹介された司法書士から、相場よりもはるかに高額な報酬を請求された場合は、ファクタリング会社そのものの利用を再検討しましょう。

なお、債権譲渡登記の税金は、譲渡する債権の個数によって変わります。債権が5,000個以下なら7,500円、5,000個を超えるなら15,000円です。

なお、司法書士報酬や、登記にかかる税金は利用者が負担すると決められているケースが大半であるため、ファクタリング契約の際にはかならず債権譲渡登記の費用負担に関する条項を確認しておきましょう。

債権譲渡登記の有無と仕組みを確認しよう

債権譲渡登記は、ファクタリングの必須要素ではありません。

しかし、とくに2社間ファクタリングにおいては、債権譲渡登記がファクタリング利用のための条件とされていることが多いです。

ファクタリング会社は、債権譲渡登記をすることによって二重譲渡防止効果や対抗要件を得ようとします。

債権譲渡登記はファクタリング会社にはメリットが大きいですが、利用者にとってはその限りではありません。

売掛先にファクタリングを知られるリスクや手数料といったデメリットがあるので、ファクタリング利用の際は、債権譲渡登記が必須条件になっているのかどうかを必ず確認しましょう。

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