ファクタリング

医療ファクタリングとは?利用する流れとメリット・デメリットを解説

医療ファクタリングとは、診療報酬債権をファクタリング会社に売却することで早期の資金化を叶える手法です。

ここでは、医療ファクタリングの概要や、メリット、デメリットなどを詳しく解説しています。

医療ファクタリングとは?

一般的なファクタリングでは、ファクタリング利用者が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却することで資金化をかなえます。

ファクタリングを利用することで支払期日前に債権を資金化できるため、キャッシュフローの改善には非常に効果的です。

医療ファクタリングでは、一般的なファクタリングにおける「売掛債権」ではなく「診療報酬債権」が契約の対象になります。

ここでいうところの「診療報酬」とは、患者から直接支払われる報酬ではなく、国民健康保険団体連合会(国保)や社会保険診療報酬支払基金(社保)から支払われる報酬です。

つまり、医療ファクタリングは、国保や社保に対する診療報酬債権をファクタリング会社に買い取ってもらうことで、早期の資金化を叶える手法なのです。

医療ファクタリングの流れ・仕組み

ここからは、医療ファクタリングの具体的な流れや仕組みの全体像を解説していきます。

医療ファクタリングの枠組みは、一般的なファクタリングでいうところの「3社間ファクタリング」と同様です。

ただし、一般的なファクタリングと異なる点も多いので、比較しながら理解を深めていきましょう。

医療ファクタリングの流れ

医療ファクタリングの基本的な流れは以下の通りです。

医療ファクタリングの流れ

  1. 医療機関がファクタリング会社へ医療ファクタリングを申し込む
  2. ファクタリング会社へ債権を譲渡する旨を、医療機関から国保や社保に伝える
  3. 医療機関とファクタリング会社とで、診療報酬債権の譲渡契約(ファクタリング契約)を締結する
  4. ファクタリング会社から医療機関へ債権の額面の約80%にあたる金額が支払われる
  5. 医療機関から国保と社保へレセプト(明細書)を送付する
  6. 国保と社保はレセプトを精査し、診療報酬の支払いを決定する
  7. 国保や社保は6で決定した額をファクタリング会社へ直接支払う
  8. ファクタリング会社は、受取額から手数料を差し引き、4の段階では支払わなかった残額を医療機関に支払う

ファクタリング会社から医療機関への代金が、2回に分けて支払われる点が医療ファクタリングの特徴です。

診療報酬債権が80%しか支払われない理由

医療ファクタリングでは、ファクタリング契約締結後に医療機関に支払われる代金は額面の80%程度です。

残りの20%については、ファクタリング会社が国保や社保から診療報酬債権の支払いをうけてから支払われます。

医療ファクタリングがこのような段階を踏む理由は、診療報酬債権の特性にあります。

診療報酬債権は、ファクタリング契約締結の段階では国保や社保から債権額の100%が支払われる保障はありません。

なぜなら、国保や社保は医療機関からのレセプトを精査してはじめて、診療報酬の支払額を決定するからです。

そのような不確定要素をはらんでいる以上、ファクタリング会社にとってみれば、一度に債権額の100%を支払うわけにはいきません。

これが、医療ファクタリングでファクタリング会社からの支払いが2回に分けられる理由です。

医療ファクタリングのメリット

医療ファクタリングには以下のようなメリットがあります。

医療ファクタリングのメリット

  • キャッシュフローの改善
  • 資金調達する際のハードルが低い
  • 借金するよりも手数料が安価なことが多い
  • 通知を気にする必要がない

順番に解説していきましょう。

キャッシュフローの改善

医療ファクタリングを利用することで、キャッシュフローの改善効果が期待できます。

診療報酬を国保や社保から受け取るには、基本的に1~2カ月は待たなければいけません。

しかし、支払いを待っている間にも人件費などの費用はかかるため、手元のキャッシュはどんどん減っていきます。

キャッシュの余裕のなさは資金繰りの悪化をまねきかねません。

医療ファクタリングを利用すれば、支払期日を待たずに診療報酬債権を資金化することができます。

最短で即日の資金化が可能というスピーディさは、ファクタリングの特徴かつ大きなメリットのひとつです。

資金調達する際のハードルが低い

医療ファクタリングは、資金調達につきものの「審査」面におけるハードルが低い手法といえます。

利用する医療機関の財務状況が多少悪くても医療ファクタリングなら利用できるケースが多いというのは、他の手法ではなかなか同じようにはいかないものです。

審査のハードルが低い理由は、債権の回収相手が国保や社保、つまり「国」だからとされています。

国保や社保がつぶれてしまう可能性は、一般企業は比較にならないほど低いです。

ファクタリング会社からすると、診療報酬債権というのは回収不能リスクがゼロに近いため、そのぶん審査も緩くなりやすいのだといえます。

借金するよりも手数料が安価なことが多い

資金調達の代表的な手段として「金融機関からの融資」をイメージする人は多いでしょう。

たしかに融資を受けることができれば資金繰りは改善します。

ただ、金融機関の融資は医療ファクタリングに比べて手数料は高いです。医療ファクタリングの手数料の相場は、0.25%とされています。

金融機関による融資の手数料はほとんどの場合1%をくだらないことを考えると、破格の安さといえるでしょう。

また、一般的な3社間ファクタリングの手数料相場は1~10%と、医療ファクタリングに比べると高くなっています。

やはり、医療ファクタリングは回収先が国保や社保で低リスクな分、手数料が低くすむのです。

通知を気にする必要がない

一般的なファクタリングだと、売掛先にばれて関係が悪化するリスクは常につきまとい、デメリットの一つです。

しかし、医療ファクタリングならそのようなリスクを考える必要はありません。

なぜなら、債権の回収先が国保や社保であり、関係の悪化リスクとは無縁だからです。

医療ファクタリングのデメリット・注意点

医療ファクタリングにはメリットがたくさんありますが、以下のようなデメリットもあります。

医療ファクタリングのデメリット・注意点

  • 受取額は少なくなる
  • 債権の2カ月分が上限

順番に、詳しく解説していきます。

受取額は少なくなる

医療ファクタリングには手数料がかかるため、債権額の満額を回収したい場合はデメリットになります。

手数料は非常に低いとはいえ、ゼロではありません。

支払期日まで待っていれば債権額の満額を受け取れていたことを考えると、医療ファクタリングの利用でメリットばかりを享受できるわけではないことは明らかです。

また、医療ファクタリングの利用に際しては、以下の諸費用もかかります。

医療ファクタリングの利用時にかかる諸費用

  • 契約時の内容証明にかかる費用
  • 書留郵便代
  • 振込手数料
  • 印紙代

事前に、費用の総額をよく確認したうえで医療ファクタリングを利用しましょう。

債権の2カ月分が上限

医療ファクタリングでは、ファクタリングできる金額の上限が「債権の2カ月分」と設定されています。

これは、デメリットというよりも注意点かもしれません。

ファクタリングで手元の資金を増やせるとはいっても、多額のキャッシュを要するような場合にファクタリングだけで対応するのは難しいでしょう。

医療ファクタリングの仕組みを理解しよう

医療ファクタリングの仕組み自体は、通常の3社間ファクタリングと変わりません。

手数料の安さや審査ハードルの低さが医療ファクタリングの特徴かつメリットなため、至急の資金調達の必要性が生じた場合は利用を検討してはいかがでしょうか。

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